【故宮博物院まとめ】基本情報、有名な展示品と私的見応えのあった展示エリア

※ 最終更新 2023年11月13日

約15年ぶりに故宮博物院へ行ってきました!
前に行ったのはたしか大学生…。夫が半休を取ってくれたので平日の午前中に行ってみました。

今回は、故宮博物院の基本情報、有名展示品のどこがすごいのか、個人的に好きだった展示についてまとめてみました!

故宮博物院とは


故宮博物院は台湾・台北市にある国立博物館(南部に分館あり)。中国の歴代宮廷が所有した歴史的美術品の数々が展示されています

ルーブル美術館、メトロポリタン美術館、エルミタージュ美術館と並び、世界四大博物館の一つともいわれています。

所蔵する文物は約70万点(!)もあるそうで、展示物は6,000~8,000点ずつ、有名どころを除き3〜6ヶ月ごとに入れ替えが行われているそうです。

ここにある美術品は元々中国・北京の故宮博物院(紫禁城)にあったもので、台湾へ渡ったのは第二次世界大戦後の国共内戦によるものです。戦況が傾いた蒋介石率いる国民党政府が、選り抜きの文物を台湾へ移送しました。

現在の場所に故宮博物院として開館したのは1965年。以降、台湾の人気観光名所となっています。

参照:

コロナ後、営業時間が変更に


営業時間:9:00-17:00
定休日:月曜日

以前は無休でしたが2020年以降、月曜日が定休日となっています。

また営業時間も以前は平日18:30まで、金土は21時まで営業していたのが全日9:00-17:00までとなっています。ドアやパンフレットも新営業時間に刷り直してあったので、しばらくはこの時間で営業していくのかなと思います。

料金


料金は350元。音声ガイドは150元でレンタルできます。レンタルの際には居留証やパスポートなど要身分証。

永久居留証・国際学生証を持っている方は150元。そして18歳未満は国籍問わず無料(太っ腹!)。

その他割引が適用される方▽
國立故宮博物院 > 故宮参観 > チケット料金より引用しました)

アクセス


士林區の山の中にある故宮博物院。

國立故宮博物院 > 公共交通サービスより画像をお借りしました)

行き方はバスで、
〇 士林駅(MRTレッドライン/淡水信義線)から約15分
〇 劍南路駅(MRTブラウンライン/文湖線)から約10分
〇 大直駅(MRTブラウンライン/文湖線)から約10分+徒歩6分
など。

「故宮博物院」で下車です。タクシーなら士林駅から150元くらい。

観覧注意事項

◯ 飲食禁止
◯ 写真・動画撮影可ですが、フラッシュ・自撮り棒・三脚はNG
◯ リュックなど大きめの荷物は持ち込み不可。チケット売り場横にあるロッカー(10元・返金あり)へ預けます。
ロッカーの柄が可愛いかった。

所要時間

今回は平日(木曜)の9時半〜12時までの滞在で行ってきました。

朝ロビーに人がたくさんいてビックリして。というのも2021年11月現在、台湾国籍の65歳以上の方は観覧料が無料(平日のみ)なんです。人の多さに納得笑。また学校行事の団体さんも結構いました。

でもやっぱり平日・朝一番が圧倒的に空いているようです。以前は夕方の夕飯時間も狙い目だったようですが、営業時間が短くなったので午後に集中しやすいみたい。

今回の観覧時間は2時間でした。12時前には出たかったのでザーッと見終えて2時間。急ぎ足ではありましたが、コロナ禍なこともあり全部屋見ることができました。

混んでいればかいつまんで見ることになると思いますが主要な展示は全て見れると思います。博物館にそこまで興味がなく、人気の展示だけ見られればOKなら1時間でも回れます。

展示品が多いので時間を決めて見たいものから効率よく回るのが◎。白菜や角煮のある3階から降りながら見るのがオススメされています。

有名な展示品4作品(三大至宝含む)はこちら

故宮博物院の三大至宝といわれるのが以下の3点。
「翠玉白菜」3F|展示室302

一番人気の翠玉白菜。翡翠本来の色みを生かして葉脈や葉の縁まで巧みに表現されたみずみずしい白菜。葉の上にはキリギリスとイナゴ(多産の象徴)がとまっています。清朝・光緒帝の側妃・瑾妃の嫁入り道具といわれています。

「肉形石」3F|展示室302

こちらは碧玉類(ジャスパー)の鉱物で、幾層もの模様が重なった天然の色みを生かしながら、表面に凹凸を作り、皮の毛穴や質感が見事に表現されています。上部の皮部分は褐紅色に染められていて、まるで味の染みた本物の東坡肉(トンポーロー。角煮の中華版)のよう。

「毛公鼎」3F|展示室 305

人だかりができていなければ間違いなく素通りしてしまうくらい素朴な青銅器。ですがなんと2,800年以上も前(紀元前!)のもの。内側に500字に及ぶ銘文が刻まれており、青銅器の銘文の中で最長。西周の第11代君主・宣王中興(紀元前828-)の叔父で重臣の毛公が作らせた礼器。宣王中興の心情が丁寧に書かれており、風格ある文体と共に、資料としても大変貴重だそう。

また五大至宝といわれているのが、上記3点に加え、
「象牙透彫雲龍文套球」1F|展示室 106

直径約12cmの球体の中にマトリョーシカのように23個もの球体が入っている白い玉。1本の象牙から作られていて、内部の一つ一つの球が独立して回転することができるという仙人技…!全て表面から削ったというからもう意味が分からない。一緒に展示されている「雕象牙透花人物套球」は18層。

五大至宝のもう一つが「雕橄欖核舟」というオリーブの種に掘られた船の作品なのですが、こちらはどうやら現在展示されてない様子…?

代わりに同じくオリーブの種を使用した作品が1階・106展示されています。

下記に実際に見た感想を書いてます。

2021年に訪問した際は、コロナ禍で観光客がいない時期だったので、一番混んでいたのは2階の特別展示(書道家・溥心畬さんの展示)で、行列ができていました。

台湾の人は学校行事などで何度も来るだろうから常設展示はもう飽きてるのかな?

一番人気の白菜は出張中だった。悲

「翠玉白菜」3F|展示室302

白菜(翠玉白菜)は南部院區(嘉義縣にある故宮博物館の分館)に出張中でした。残念…。白菜と角煮はたまに出張するみたい。

白菜の代わりを務めていたのは「アチョー」ポーズの熊。

左:「銅熊尊」
右:「玉熊尊」

こ、これは白菜の代わりを務められるほどすごい作品なのか…?
↓説明を発見。

左の銅熊尊は、漢の時代(紀元前206年-220年!)のもので各所に宝石がはめ込まれています。右の玉熊尊は清・乾隆帝の時代に模倣して作られた作品なのだそう。 普段は展示されていないそうなのである意味貴重?

角煮はいました!▽
「肉形石」3F|展示室302

あれ…こんなに小さかったっけ…?(遠い記憶)

昔見に来たときは角煮と白菜が目玉作品とはどういうこと?と不思議でしたが、改めて見てみると東坡肉(トンポーロー)すぎてちょっと感動です。

青銅器は紹介パネルがあった&人だかりができていたので見れましたが、事前知識がなかったためすごいものだとは知らず写真は撮っておらず(ぱっと見が地味なので…^^;)

こんな写真は撮ってたくせに▽
おしりみたいだねと…笑

「象牙透彫雲龍文套球」1F|展示室 106

白い玉は1階(106)に展示されています。

左:彫象牙透花人物套球
右:象牙透彫雲龍文套球

「象牙透彫雲龍文套球」

「彫象牙透花人物套球」

この象牙多層球の作り方ですが、
① 象牙を球体にする
② 中央へ向かって8つの円錐型の穴を開ける
③ 中央から順にそれぞれの球体を削り出す
④ 彫刻を施す
というように作っていくのだそうです。

至極の職人技…。

彫刻も驚くほど細かいので是非アップで見てみてください!▽

「彫橄欖核松陰漁楽扇墜」他 1F|展示室 106

同室1階(106)のオリーブを削って作った彫刻。こちらが「雕橄欖核舟(冒頭の五大至宝の一つ)」と近しい作品。

3cmという小さな種に高浮き彫りや透かし彫りなどを用い、松の木や漁船、人物の表情が生き生きと描かれています。

この時代はいかに小さいものに彫れるかを競っていたのだろうか?どの作品もとにかく小さく、細かく、めちゃくちゃ肩凝りそう…と考えてしまう素人です(^^;)

私的見応えのあった展示エリア

ここからは私的に見応えのあった展示をご紹介します(超個人的好みです)。

「雕竹根山水人物擺件」1F|展示室 106

1階の白い玉・オリーブの種と同じ展示室(106)にある、竹の根を削った作品。

そびえ立つ山々がダイナミックで、松や滝などが細やかに表現されており立体的な掛け軸のような作品。


「鑲珠石花卉帶頭腰帶」他  1F|展示室 106

こちらも同室106展示の清王朝時代のバックル。装飾がとても華やか。宝石の色合いが美しく、どれも古い感じが全然しない。可愛いすぎて欲しい。笑


「嵌玉石博古圖八方盒」1F|展示室 106

こちらも同室106展示の清王朝時代の箱の蓋。「多寶格」といって、宝物や骨董品を収集・保管し愛でるための収納箱。宮廷文化を物語る優雅な品。箱自体がお宝ですよね。美しい…。


「珊瑚魁星点斗盆景」1F|展示室 106

こちらも同室106、朱色のサンゴの作品。清朝の宮廷内で大変珍重された縁起の良い盆景だそう。

鬼だと思っていましたが、「魁星」という北斗七星中の第1星、転じて試験や学問の運気を司る星=神なんだそう。科挙(官吏の採用試験)の合格や仕官の道の運をつかさどるようになり、祀り信奉されたそうです。

右手に掲げているクシのようなものが北斗七星。よくよく見ると宝石がちりばめられていて、吉祥を表現した華麗な作品。


あととても素敵だったのが3階(303)の小瓶部屋▽
「士拿乎」3F|展示室 303

2020年7月より始まった新展示だそうです。
参照:士拿乎—清宮鼻煙壺的時尚風潮 - 國立故宮博物院 National Palace Museum

この小瓶、昔の嗅ぎタバコなんだそう!
宮廷と王侯貴族、士大夫以上の階級にしか流通していなかったとあって装飾が華やかで非常に凝っています。

もうこの小瓶たちの色づかい・デザイン・形がとても可愛くて。見入ってしまいました。

茄子型のものもありました。

なんだろう、食べものって普遍的でいいのかな?

お土産が個性的

人気展示品を全面に押し出したお土産がなかなか面白かったです。
白菜のお皿に白菜の傘。

リアル。笑

ブロック!圓山大飯店にもホテルのミニブロックがあったけどなんでブロックにしちゃうんだろう。笑

あと、唐時代の美人さん「灰陶加彩仕女俑(展示室 2階201)」の、
ミニチュアなど。アイマスクもインパクト強いし、目のつけどころがすごくいい。

地下に子連れで楽しめるところがあるらしい!

故宮博物院地下(B1)に「こども学習センター(兒童學藝中心)」があり、無料で利用できるそうです。

故宮博物院HP > 学習 > 教育普及より画像をお借りしました)

時間は営業時間と同じ。

楽しみながら学ぶ場所なので、対象年齢は5歳〜。確かに2、3歳ではむずかしそう。

今回は長男・次男とも学校・保育園に行っている時間に訪問したので利用しませんでしたが、博物館へ子供を連れて行くのってかなり躊躇うので、素敵な施設だなと思いました。

以上、故宮博物院についてまとめてみました!最新情報は下記公式HPよりご確認ください。

施設情報

名前:故宮博物院
住所:台北市士林區至善路二段221號
時間:9:00-17:00
休み:月曜日
HP:https://www.npm.gov.tw/index.aspx?l=3

文中で触れた圓山大飯店のミニチュアブロックについてはこちらの記事に書いています(^^)▽

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