要冷蔵(パスチャライズ)牛乳 VS 常温保存(UHT)牛乳。シンガポールの牛乳事情まとめ!

※2018年11月12日 UHT牛乳2種類追記しました。

シンガポールの食事事情、はじめに悩んだのが牛乳でした。

タイで毎日飲んでいたmeijiの牛乳も売っているけど、タイで飲んでいたときより当然高い。

1リットルパック2本で5.6ドル前後(≒450円。よくやってるセール時の価格で主要メーカーは大体これくらい)という数字のインパクトが強くて、しばらくは買うのをためらいました(^^;)

タイで買うと今のレートで1リットル約155円なので、40%増し。毎日飲むものでこの金額差は地味に辛いです。

ただ、日本と比べると、実家で飲んでる農協の牛乳が1リットル200円くらいなので25円/ℓプラスくらいなら大差ないかな、とも。

価格の他に迷ったのが、どれを試してみるか。シンガポールの牛乳売り場はなんだかごちゃごちゃしていて見づらいんです。

思うに色んな国のカラフルで個性豊かな(統一感皆無)牛乳たちが並んでいて、包装も紙パックから1リットルボトル、2リットルボトルなど様々なのが見づらいのかなと。

シンガポールの牛乳売り場↓

日本の売り場↓
AdverTimesさんより画像お借りしました)

また、シンガポールでは長期常温保存ができるUHT牛乳という種類の売り場も充実しています。

どちらもいくつか試した結果、要冷蔵と常温保存の牛乳2つを使い分けながら飲むことに落ち着きました。

2つの定義がなかなかややこしくて結構調べたので、飲んでみた牛乳の感想と一緒にまとめてみました!

UHT牛乳とは?

「ultra-high temperature processing」または「ultra-heat treatment」の略で、135℃以上で1~2秒以内で殺菌する、超高温加熱処理法のこと。
参考:【Wikipedia - Ultra-high-temperature processing】

「long life milk」とも呼ばれるこの牛乳は、賞味期限は常温で6~9ヶ月(!)もあります(未開封時)。

添加物や保存料は大丈夫!?と思うけど、
超高温殺菌すること
◉ アルミ箔加工した容器で光と空気を遮断すること
◉ 無菌状態で詰めること
などなどの殺菌温度とパッキングの違いで、中身は普通の牛乳(加工してるものもあり)。

ただし、超高温殺菌することで風味が大きく変化し、特有の加熱臭があります。

パスチャライズ牛乳とは?

65~68℃で30分間(低温保持殺菌/LTLT法)または、72~78℃で15秒間ほど(高温短時間殺菌/HTST法)殺菌した牛乳のこと。
参考:【Wikipedia - 牛乳】

パスチャライズ牛乳=低温殺菌牛乳のこと。パスチャライズ牛乳のメリットは、しぼったばかりの牛乳の成分に近く、牛乳本来の栄養を残したまま殺菌できること、風味がいいこと。

ほとんどの菌は死ぬけれど、熱に強い菌が一部残るので、賞味期限は短め(4~6日程度)。

日本の牛乳は変、、!?

海外の要冷蔵牛乳は上記のパスチャライズ牛乳なのですが、日本の市販の要冷蔵牛乳はほとんどがUHT牛乳。

で、ロングライフミルクと呼ばれるものが海外でいう常温保存牛乳なんです。
参考:【Wikipedia - 牛乳】

ややこしいな!

つまり海外では、
◉ ロングライフ牛乳=UHT牛乳
◉ 要冷蔵牛乳=パスチャライズ牛乳

なのが、日本では、
◉ ロングライフ牛乳=UHT滅菌法
◉ 要冷蔵牛乳=UHT法
◉ 低温殺菌とうたっている要冷蔵牛乳=パスチャライズ牛乳
なのです。

ややこしいな!!

日本の場合、UHT牛乳とロングライフミルクの違いは、気密性の高いアルミコーティング紙パックなどに、無菌的に充填包装しているかどうか。
参考:【Wikipedia -ロングライフ牛乳】
東毛酪農業協同組合さんより画像をお借りしました。)

上の図で「UHT殺菌が一般的な牛乳の殺菌方法」とありますが、これは先進国では日本だけで、かなり特殊。

超高温殺菌することにより、
◉ 悪い菌だけでなく、摂取すべきいい菌まで殺している
◉ 風味が落ち、独特の香りが発生する
などのマイナス面が。

殺菌工程に時間がかからない、低温殺菌ほどの良質な原乳を必要としない、日持ちすることから、日本では全国規模の大手の乳業メーカーはほとんどこの方法。

日本においては、
120~135℃で1~3秒間殺菌する方法がUHT法。賞味期限は冷蔵で10日程度。

135~150℃で1~3秒間殺菌し、気密性の高いアルミコーティング紙パックやプラスチック容器などに無菌的に充填包装する方法がUHT滅菌法。賞味期限は常温で2〜3ヶ月程度。

と、UHT法が2段階に分かれているんです。

このような製造工程から、日本の牛乳は味や香りが独特で、J-UHTなんて呼ばれるそうな。

特有の加熱臭(焦げ臭)を、日本人は飲み慣れた味のため「コク」として好むそう。
 
日本がこのUHT牛乳を採用しだしたのは、牛乳が普及しはじめた1950〜1960年頃の乳質がわるく、冷蔵技術も未熟であったこと、また、雪印の食中毒事件が背景にある模様。

私個人の感想としては、日本にいたときは日本の牛乳しか知らなかったわけで、意識もしていなかったし、飲み比べてもないのでよく分かりません、、笑

後述しますが、パスチャライズ牛乳でもメーカーによって味は様々なので、好みにあったものを選べばいいのかなと。

ただ、消費者の選択肢としてパスチャライズ牛乳ももっと流通してほしいし、身近に手に入るようになるといいなと思います。

〇 TOMO MILK
〇 タカナシ乳業
上記2社が代表的な?日本のパスチャライズ牛乳を作っている会社。帰ったら飲んでみたいな。

上記以外の参考URL:
【Wikipedia - 超高温加熱処理法】
【パスチャライズド牛乳 - TOMO MILK】
【研究報文 低温殺菌牛乳と超高温殺菌牛乳の物性および風味特性 - 日本官能評価学会誌】
【パスチャライズとノンホモに関する覚書 - 倉庫の片隅から@産直や蔵肆はてな支店】
【雪印乳業食中毒事件で分かった「牛乳」の正体 牛乳をダメにして来た乳業界の「技術開発」】

飲んでみたUHT牛乳

オーストラリアに住んでいた夫が買いだめしておけるから便利だよ、と言っていたので買ってみたUHT牛乳。試しに飲んでみたのは以下4種類。

FARMHOUSE

【製造元】マレーシア
【牛乳産地】オーストラリア
【価格】2本(1ℓ×2)で4ドル前後

目がチカチカする色鮮やかなこの牛乳。パッケージからオーストラリアの会社のものだと思っていたら、シンガポールの大手飲料メーカーF&Nのものでした。
【F&N > FARMHOUSE】

パスチャライズ牛乳もUHT牛乳もパッケージデザインが同じ。右側がUHTミルク。緑色のパッケージのものもあって、そちらはLow Fat Milkです。

これは来た当初に飲んでみたもので味の記憶があまりないのですが、、美味しくないと思いながら1本使い切った気がします。笑

redmart(ネットスーパー)の口コミ評価は高く、ヨーグルトを作るときにいいという口コミがいくつかありました。ホームメイドヨーグルトはインド系の方が作るのかな?
【redmart > Product > FARMHOUSE UHT Milk】

Cowhead

【製造元】フランス
【牛乳産地】ニュージーランド
【価格】2本(1ℓ×2)で3.3ドル前後

redmartでかなり評価が高かったので買ってみたCowhead。なんと「Product of France」と書いてありました。レッドマートの商品説明を見ると、Country of Originはフランスだけど、ニュージランド産とのこと。

【redmart > Product > Cowhead UHT Pure-milk】

お味は、試した中で一番美味しくありませんでした( °-°) 口に入れた瞬間はクセがなくスッキリしていて、生乳に近いかも!と思ったのですが、後味がかなりキツくて。口が「いーー!」となる感じ。ちょっとオエっときてしまった、、

気に入って飲んでいる人がそれなりにいるということで、つくづく味覚ってそれぞれだなぁと実感。

MARIGOLD

【製造元】マレーシア
【牛乳産地】???
【価格】2本(1ℓ×2)で3ドル前後

スーパーでよく見かけるMARIGOLD、こちらも「Malaysia Dairy Industories」の名前からマレーシアの企業だと思っていたらシンガポールのメーカーでした。
【MARIGOLD > UHT Milk】

牛乳の他にジュースやゼリー、ヨーグルトなどもあります。タイにもよく売っていたVitagenというヤクルトっぽい乳酸菌飲料もMARIGOLDが作っていると初めて知った!

買ってみたのがMARIGOLDのフルクリームミルク。この牛さんの絵がなんとも。笑

Full Cream Milkって成分無調整牛乳のイメージだったのですが、この商品は100%牛乳ではなく、大豆やビタミン系が入っています。牛乳ではなく乳飲料になるのかな。牛乳などの割合は記載されていませんでした。

大豆が入っているので後味が豆乳です。はじめはクセを感じるのですが、UHT牛乳の中ではコクがあって飲みやすいと思います。間接的に使うならあり。

redmart

【製造元】シンガポール
【牛乳産地】オーストラリア
【価格】2本(1ℓ×2)で3.1ドル前後

redmartのプライベートブランド(以下PB)商品。redmartにはPB商品が結構あって、どれもパッケージがかわいくて好き。この正面は牛のお乳の部分で、サイドに足が描かれているのですがそれもまたかわいいです。

お味は、美味しかった!いくつか飲んだUHT牛乳の中で衝撃的に普通の牛乳でした。クセもほとんどなく、飲みやすいです。

期待せずに買ってみたredmartのUHTがまさかの当たりでした。

飲んでみたパスチャライズ牛乳

4種類一気に飲んで味比べしてみました。

CP-meiji

【製造元】タイ
【牛乳産地】???
【価格】2本(1ℓ×2)で5.75ドル前後

タイで5年間お世話になってた牛乳。
【CP-meiji > Pasteurized-Milk】
【「美味しい牛乳を届けたい!」乳製品市場シェアNO.1を獲得したCP Meijiの挑戦とは - Mediator Co., Ltd.】

優しい甘みがあって、飲み比べた中で一番さっぱり。初めて飲んだときは日本の牛乳より美味しい!と思いました。安定の美味しさです。

産地が明記されていませんでしたが、タイには農場も多く、美味しい牛乳も他のアジア地域に比べてたくさんあるのでおそらくタイ産かと。

MARIGOLD

【パッキング】シンガポール
【牛乳産地】オーストラリア
【価格】2本(1ℓ×2)で5.55ドル前後

MARIGOLDのパスチャライズ牛乳。こちらは100%オーストラリア産。
【MARIGOLD > 100% Fresh Milk】

味は濃厚でクリーミー。くさみなどもなく美味しかったけど、のどの辺りにねっとり残る感じで私はちょっとくどく感じました。

FARMHOUSE

【製造元】マレーシア
【パッキング】シンガポール
【牛乳産地】オーストラリア
【価格】2本(1ℓ×2)で5.65ドル前後

FARMHOUSEのパスチャライズ牛乳。
【F&N > FARMHOUSE】

味はmeijiとMARIGOLDの中間くらいで、適度な濃厚さ。飲みやすくて美味しいです。

VISHNU

【製造元】シンガポール
【牛乳産地】シンガポール
【価格】1ℓで2.65ドル前後

こちらのブログを見て、シンガポール産の牛乳があると知り、Fair Priceで発見したので買ってみました。

「ヴィシュヌ」とはなんてイケてるネーミングセンスなのでしょう。神様を商品名にしてしまうとは。インド系の方がやってるのかな。

味はさらっとしていて美味しいけど、後に残る匂いが強かったです。ちょっとケモノっぽいような(ラーメン次郎のような?)

ネットでは日本語でも英語でもすごく美味しいと書かれている方ばかりだったので、好みの違いなのか、ハズレのものを引いたのか?我が家には合いませんでした。

他にViknesh Dairy FarmDaily Folksという農場がVISHNUと同じLim Chu Kang(シンガポールの左上、マレーシア国境付近)という場所にあるようです。この小さな国に農場があることに驚き!

我が家が選んだ牛乳

上記の2つを併用していくことにしました。

パスチャライズ牛乳ではやっぱりmeijiが好きなのですが、なぜかシンガポールには1ℓの紙パックが売っていなくて。830mlの小さめのペットボトルか2ℓの大サイズのどちらか。2ℓの方はよく割引になっていてお得なのですが、飲みきれません。

その点FARMHOUSEのものは、1ℓ紙パックで買えて、我が家の消費頻度に合っています。味もラテにちょうどいいクリーミー加減なのと息子も気に入ったので。

▶ おうちラテの記事はこちら。
【手軽、美味しい、幸せ!自宅で本格アイスラテはじめました】

UHT牛乳の方は、料理やコーンフレーク、フルーチェ等、間接的に使うときに。値段が安いのと、常温でストックしておけるのが助かります。

はじめはMARIGOLDのものを買っていましたが、redmartの方が美味しかったのでこちらに切り替えました。

以上、シンガポールの牛乳事情でした!

しかしひとつ疑問なのがパスチャライズ牛乳の賞味期限の長いこと。2週間~1ヶ月もある。見たところ普通の紙パックだし、なぜ???

あともう一つ。先日要冷蔵牛乳を棚から取ったときに、底に牛乳がついているものがありました。漏れていたっぽいので、よく確認してから買いましょう!


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