シンガポールらしさたっぷりのウォールアート12選

初めてウォールアートを見たのはマレーシアのペナン島・ジョージタウンへ行ったとき。

廃材や背景を巧みに用いたウォールアートは、ペナンに住む人々の日常を描いた温もりある作品ばかり。ジョージタウンは街並みがとにかく素敵で、その歴史的な街並みに溶け込んだアートがとても刺激的でした。

このジョージタウンのウォールアートは2012年に催されたジョージタウン・フェスティバルの一貫だったそう。ここで一躍有名になったリトアニア(ポーランドの上辺り)出身でペナンに拠点を置くアーネスト・ザハレヴィック(Ernest Zacharevic)のウォールアートをきっかけに街中にアートが波及。

ジョージタウンは世界中のアート好きが集まるストリートアートの聖地となったそうな。

参考URL︰
【プレゼンターインタビュー 世界遺産の町から生まれたジョージタウン・フェスティバル - 国際交流基金】
〇 Ernest ZacharevicのInstagram

そんな影響を受けてか、ここシンガポールにもウォールアートがいくつもあります。上記アーネストの壁画が2013年にシンガポールでも描かれ、2015年には建国50周年記念にオーストラリアの有名アーティストたちとウォールアート作品をコラボしたりと本格的に広まっていったよう。

参考URL︰
【シンガポールの最新ストリートアート - アジアトラベルノート】
【Australia's SG50 gifts heading to the heartland - asia one】

原色使いのモダンなもの、ポップなものも多い中、私が好きなのはアーネスト氏が描くような日常や文化を映し出したもの。

人種や宗教の入り混じるシンガポールの5つのエリアで見つけた、味のあるウォールアートをまとめてみました!

オートラムパーク・エバートンロード

はじめに、今回紹介するウォールアートは一部を除き全て「Yip Yew Chong イップ・ユーチョン」さんというシンガポール人の方が描いたものでした。

調べたあとで地球の歩き方の特集を発見するという。笑

公式HPも発見したので最後に貼っておきます。見事な作品ばかりです!!

この方の初めての壁画作品が、MRTオートラムパーク近くのエバートンロード。青い外観が有名な「ババハウス」など、古いプラナカン住居が残る素敵エリアです。

エバートンロードのプラナカンハウスは、玄関先の雰囲気がとにかく絵になるし、

装飾が凝っていて、つい立ち止まってしまう。

① Amah

オートラムパークにはYipさんのウォールアートが3ヶ所あります。Yipさん初めての作品がこちら。
プラナカン家庭のお手伝いさんの絵なんだそう。

バティック柄の布がとっても細かくてキレイでした。そよ風が吹いているようでなんだか気持ちよさそう(^^)

アクセス
場所:40 Everton Road

② Barber

上のお手伝いさんの絵の角を曲がってすぐのところにもう一つ。
路上散髪屋さん。

チャイナタウンに住んでいた幼少期の自分の記憶を参考に描かれた作品。

右端にある本物のパイプにクリームの絵をぶら下げるという遊び心(^^)

アクセス
場所:39 Everton Road
(Amahと同じ場所なのでマップ省略)

③ Provision shop

路上散髪屋さんの道をそのまままっすぐ西へ行った角に3つめの絵。
景色にすごく馴染んでいて一度通り過ぎてしまった。笑

「Provision shop」は、Mini-mart、Mama shopとも呼ばれる食料品屋さん。
現在はHDBの下にある、生活用品などなんでも売ってるコンビニのような存在だけど、絵の中では干物や香辛料を扱っていたり、氷を切ったりココナッツを細かくしたりしています。

今でもこんな風にスパイスを売っているProvision shopがあるみたい。
【5 Of Singapore's Oldest Provision Shops That Look Like They Time-Travelled From 1960s】より画像をお借りしました)

右の屋台はタイにはまだまだ当たり前にある光景。アイスクリーム屋さんとかね。

改めてシンガポールの急変化ぶりを感じる絵。

アクセス
場所:8 Spottiswoode Park Road

チャイナタウン

用事があって行ったチャイナタウン・コンプレックスの目の前で見つけたこのウォールアート。
いかにもチャイナタウンらしい雰囲気。温かみがあってYipさんの絵の中で一番好きかも。

この絵のタイトルは「Letter Writer」。字が書けない人に変わって書く代筆屋さん。

この絵、Yipさんが2人のお子さんと初めて描いた絵だそうで、制作過程がHPに載っていますが(→)、アップで見れば見るほど細かくて感動します!

アクセス
場所:336 Smith Street, New Bridge Centre side wall

チャイナタウン・コンプレックスという屋台の集まる建物の入り口大通り近く。

ちなみにチャイナタウン・コンプレックスの1階は量販店で売ってるようなチープな服がずらり。奥にはガイドブックによく載っている食器屋さんが。2階にはホーカーがあり、ミシュランに認定されたチキンライスのお店があります。

リトルインディア

MRT リトルインディアを降りてすぐ見えてくるカラフルな建物。

シンガポールのリトルインディアはタイと違ってすごく日常で、本場インドの雰囲気にかなり近いように思う。特に夜。

① A Ride through Race Course Road by Jaxton Su JingXiang

こちらの絵はシンガポールのアーティスト、Jaxton Suさんが、Raffles Institution大学の先生・学生、出稼ぎ労働者の人々の協力と共に描かれたもの。
デリバリーバイクが前に止まっていてよく見えないけど!笑

お花のガーランドを作るインド人のお姉さんと、

駆け抜ける馬!
この路地に面する大通りはレース・コース・ロードといい、かつては競馬場がだったんだそう。競馬場の周りではガーランドが作られていたことから作られた作品。

お花の色が鮮やかだけど雰囲気がやわらかくて、優しい作品でした。

参考URL:
〇 Jaxton Suさん公式HP
【Art comes alive on this Little India trail - Singapore Tourism Board】
【Singapore Wall Crawl: the best murals, street art and Instagram-worthy spots - honeycombers】

アクセス
場所︰48 Race Course Road

MRTから歩いて行った場合、上のマップのお店を越してすぐの路地です。

② Madan Mogra, Jasmine of the City by Nadiah Alsagoff

ガーランドとお馬さんの絵と同じ路地にもう1作品。
こちらはNadiah Alsagoffさんというアーティストによって描かれたもの(お若いのにすごい!)。

リトルインディアには至るところにウォールアートがあるのですが、2017年に「Artwalk Little India」という活動があり、その一環で描かれたそうです。

出稼ぎ労働者が生まれた環境によって、彼らの人生にどう影響してくるかを表した作品。

シンガポールはインドの出稼ぎ労働者の人たちがすごく多いんです。すぐ近くの建設中のコンドを見ていると、朝早くからトラックの荷台に乗って建設現場へ来て、暑い中朝から晩まで働く姿を見かけます。

タイでもよく目にしていた光景だけど、シンガポールで見るとそこだけ浮いて見えて、なんだか違和感を感じます。

奥の壁一面に描かれたジャスミンが迫力大です!

参考URL:
〇 Nadiah Alsagoffさん公式HP

アクセス
場所︰13 Chander Road
(馬&ガーランドお姉さんの壁画と同じ場所なのでマップ省略)

③ Traditional Trades of Little India

ババンと壁一面に大きく描かれたウォールアート!
こちらはPsyfoolさんというアーティストによって描かれたもの(壁に書かれた説明書きより)。

かつてのインド人移民たちがなりわいとしていた特色ある職業(供え物の花輪作り、オウム占い、洗濯屋など)が描かれています。

アクセス
場所︰4 Belilios Lane

④ Village Curry

③のすぐ横のインド料理屋さんにあったウォールアート。
てっきりつながりがあるのかと思ったら、こちらはYipさんによるものでした!

食事をしてないので写真を1枚撮らせてもらっただけですが、他にも柱や壁の下の方など色んなところにインドらしい絵が散りばめられていました。

アクセス
場所:20 Kerbau Road, Little India
(③の青い壁画と同じ場所なのでマップ省略)

ブギス・アラブストリート

アラブストリートからビーチロード沿いへ歩いたところにあるコーヒーのウォールアート。
 
Yipさんの「Coffee Story」という作品。

以前あったカフェの壁に描かれています。美味しそうだし、流行っていたっぽいのに閉店してしまったとは残念。

左にはテタレを作る人、右側にはコピを作る人。

今昔を比較するように、このすぐ横に焙煎機とラテアートを作る人々が描かれているという、ユーモア溢れる作品。

アクセス

場所:29 Sultan Gate

チョンバル

最後はチョンバル。3ヶ所あって全てYipさんの壁画です。

この日初めてチョンバルに行ったのですが、うわさ通りのかわいい街!高層ビルの多いシンガポールでは珍しく、平屋造りが多く、玄関先が可愛い。



チョンバルはシンガポールで最初のHDBが作られた地域の一つのため、建物が高くないんだそう。

① Pasar&the Fortune Teller

はじめに見たのがこちらのアート。
「Pasar Tiong Bahru」と書いてある(^^)

見切れているけど、題名の「Fotune Teller(占い師)」も横に描かれています。

これはお供え?

② Home

こちらはHDBの当時の家庭を再現したもので、ソファセットや電話などは自分や親戚の家にあったものを思い出しながら描かれたんだそう。

テレビ台がかわいい。こんなのほしい。笑

③ Bird Singing Corner

以前チョンバルにあったという「バードシンギングコーナー」。
小鳥の鳴き声を愛でながらコピを飲む、ちょっと不思議な文化。鳥愛好家たちの語らい場だったんだろうか。

アクセス
Yip Yew Chongさん公式HPよりお借りしました)
分かりやすかったのでこちらを貼っておきます!

場所:
【Pasar&the Fortune Teller】Tiong Bahru, Eng Watt Street Block 73
【Home】Tiong Bahru, Tiong Poh Road/Eu Chin Street Block 74
【Bird Singing Corner】Tiong Bahru, Seng Poh Lane Block 71

最後にYipさんの公式HPを貼っておきます。
【Yip Yew Chong公式HP】

上記以外にもたくさんの作品があり、制作秘話なども面白いので興味がある方は是非(^^)

番外編と余談

ウォールアートではないけれど、素敵な壁を1つ。
カトンのプラナカンハウスが並ぶ通りにある一面黄色の壁。妙にポルトガル感があるのは私だけでしょうか(行ったことないけど)。とっても好きな雰囲気。

場所はこの辺り↓

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余談ですが、冒頭にお話したマレーシアのペナン島・ジョージタウン、宿泊したのは「イースタン&オリエンタルホテル」というとっても素敵なホテルなのですが↓、
このホテル、実はシンガポールが誇るラッフルズホテルと創業者が同じ!

1885年にイースタン&オリエンタルホテルが建設され、その2年後にラッフルズホテルが建設されています(創業者のサーキーズ4兄弟はその後ミャンマーインドネシアにも同レベルのホテルを作っています。すごすぎる、、)。

ラッフルズホテルよりはレベルは落ちますが、より西洋と東洋の入り交じりが感じられる素敵なコロニアルホテルです。しかも!ラッフルズホテルの2分の1~3分の1の価格で宿泊可能。ジョージタウンへ行く機会のある方にはオススメのホテルです。

長くなりましたが以上、シンガポールの歴史を知ることができるウォールアート12選でした!


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